全がん協加盟施設の生存率協同調査
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宮城県立がんセンター(2007〜2009年症例)


全体について
生存率を正確に算出するためには、対象となる症例を漏れなく含むこと、精度の高い生存状況確認調査を行うことが重要です。当施設では、1992年より院内がん登録を実施しており、診療科を問わず当施設で診療を受けた患者さんをすべて登録しています。生存状況確認調査については、診断後3年以上経過した生死不明の方を対象に、市区町村への住民票照会、さらには法務局への本籍地照会を定期的に実施しています。追跡率が低い(生存状況確認調査をきちんと行わない)と計算上、生存率が高くなりますが、当施設での5年後の追跡率はほぼ100%であり、非常に精度の高い結果となっています。各がんについては、それぞれのコメントをご覧ください。

胃がん(C16)5年相対生存率
前回の2004、2005、2007年の3年間の調査(全例413例)に比べ、今回の調査では全症例数が470例に増え、全体の5年相対生存率は69.9%から79.0%に改善しています。この主な原因は、I期/W期比が2.90から3.85に、手術率が63.2%から45.5%に変化していることから、内視鏡的治療を受けた早期例の割合が増加したためと思われます。II期とIII期では5年相対生存率が10%前後改善していますが、いずれの病期も症例数が少ないため、結果の解釈は慎重にすべきと考えます。消息判明率が100%、追跡率が99.8%といずれも良好でした。
胃がん(C16)5年相対生存率

大腸がん(C18-20)5年相対生存率
今回の集計結果は、院内がん登録室、がん疫学·予防研究部の尽力により、追跡率は99.6%でした。平均年例は67.0歳、男女比は1.12と、全施設と比較して大きな違いはありませんでした。一方でI期/IV期は1.35と前回調査の1.07よりも高い値となっています。当院のstageIII症例の相対5年生存率は84.4%と、大腸癌治療ガイドラインのデータと比較して高い数値となっている一方で、stageIは95.9%にとどまっています。一方で、stageII症例と比較してstageIII症例が多いという特徴がありました。臨床診断、外科治療、切除標本の取扱い、病理診断、追跡調査などの取組みから、より精度の高い結果が得られるように、また症例の集積に努めていくことが重要と考えます。
大腸がん(C18-20)5年相対生存率

肺がん(C33-34)5年相対生存率
従来、肺がんは病期ごとに生存率が異なりI期症例であれば5年生存率を治療効果の指標とすることができますが、III期症例、IV期症例では生存期間が短く5年生存率は意味をなさず、III期症例では1年生存率もしくは2年生存率、IV期症例では1年生存率が指標となっていました。ただし、最近の肺がんの薬物療法は分子標的治療や免疫療法の登場により急激に発展しており、当時とは隔世の感があります。化学療法が主体となるIV期症例を中心に今後の生存率はどんどん延びていくことが期待されます。
肺がん(C33-34)5年相対生存率

乳がん(C50)5年相対生存率
追跡率は100%を維持しています。StageIとIIの5年生存率はそれぞれ99.3%および98%であり良好と思われます。StageIIIの成績は77.7%で、前前回報告の82.4%および前回報告の89%より低値でしたがおおむね良好と思われます。StageIV症例は症例が少なく来院時の転移臓器数・全身状態などにより治療成績が左右される可能性がありますが、今回のデータでは41.1%と前回の37.5%および前前回の38.5%よりさらに良い成績でした。全手術症例の5年相対生存率は98.8%と極めて良好でした。
乳がん(C50)5年相対生存率

子宮頸がん(C53)5年相対生存率
宮城県立がんセンターの子宮頸がんの生存率は、全がん協加盟施設の19施設中13位です。II期とIV期の生存率の低さをI期とIII期の生存率の高さで補いきれなかったと思われます。手術症例での生存率がやや良好なのは、手術が可能で予後良好のI期の症例が多いことと、術後の集学的治療が有効なためと考えています。
子宮頸がん(C53)5年相対生存率

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